調理初心者の並列調理の熟達に関する研究

木村研究室 中井遥夏

人間の生命を維持し健康や活動に必要なエネルギーと栄養素を確保するために、食事という行為は重要である。食事において、我々が口にする食品材料を安全に、効率よく、おいしく食べられるように調理することが必須である。
一般的な食事の構成が主食・主菜・副菜・汁物であることが多いことから、複数の品を同時進行で調理する必要がある。この複数の調理課題を同時進行で行うことを並列調理と呼ぶ。並列調理を行うことで全体の調理時間を短時間で行うことや料理を適切な温度で食卓に提供することができる。
調理するにあたって、レシピ本や料理レシピサイトなどを利用することが多いと考えられるが、そのほとんどは1品ずつ調理レシピを紹介するのが主流で、調理する側はレシピを複数組み合わせる必要がある。加えて、調理初心者にとって繋がりのないレシピ同士を組み合わせて、複数の品を同時に調理することは難しいことが推測される。

本研究は、調理時間の短縮を熟達化の指標としている。先行研究で、調理熟達者の調理は並列調理をうまく行い、全体の調理時間が適切な時間に収まるよう調節していることは明らかにしているが、調理初心者が並列調理の熟達過程を詳細に記述した研究は少ない。
本研究の目的は、20分という基準を設け、調理初心者の調理時間が短縮される過程を記述することによって、道具の組織化や段取りを同時進行できる遂行力が並列調理の熟達に寄与していることを明らかにすることである。

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